ユダヤ人とパレスチナ人とに思う

山脇 望 牧師

 イスラエル旅行を経験したためでしょう。飛行機で20時間近くかかるイスラエルの地が大変身近な国となりました。もちろん、聖書を読んでおりますから、無関係な場所とは思われませんでしたが、もっと近くなったといったらよいでしょう。

 この約束の地をめぐって、紛争が続いております。この地は神によって与えられた地であると主張するユダヤ人。あなたがたが世界に離散して、この地を放棄した後、私たちが住んでいる、私たちの地だと主張するパレスチナの人々。
 それでもユダヤ人とパレスチナ人との国境を決める線引きがなされてそれぞれが住んでいるのですが、問題はパレスチナ人の線引き内にユダヤ人の入植者が20万人以上おることです。140以上の入植地があり、これを問題として、「ここから出て行くように」と、主張し、ユダヤ人はそれに反発し、「これは自分たちの地だ」と、ゆずりません。かれらの闘いのすがたを見ていると、実にこれはこの世におけるキリスト教会とサタンの支配との闘いのすがたであることを知ります。
 ここは私の支配だ、と大地を治めているサタンの支配の地に、「神の国は近づいた、悔い改めて福音を信ぜよ」と、闘いをつづけております。

 この地に「教会」が建てられているということは、パレスチナの地にユダヤ人入植者が生活しているようなものです。「神の恵みの支配が与えられています」と、この支配の広げられることを願って働きつづけています。

 最近、気になることは、エホバの証人の働きが、あちらこちらに「王国会館」なる建物を建て活動していることです。今までは、2000年までに終末が来て、エホバの証人だけが王国に入れると教えられていたのに、21世紀になっても、その予言どうりになりませんでした。
 それで今度は教えの内容を変えています。これからはもっと、人々より献金を集めて会館を建てていくと思われます。  これは主イエスの福音の業を小さく見、自分たちの働き、活動を大きく見ますから、教会の働きにとりましては、決して軽く受けとめられることではありません。神の御名を用いて、人々を神の福音から遠ざけようとするサタンの支配下にある働きだからです。

 神の恵みの支配がさらに広げられていますように、祈り、上より力を頂いて神の証人として奉仕していきましょう。

2001年7月号