感謝をささげる

山脇 望 牧師

「感謝して心から神をほめたたえなさい」(コロサイ・3:16)
 収穫の秋を迎えました。今年も稲作は豊作で、むしろ出来すぎてしまう心配から青田狩りをしてしまうほどでした。 果物も美味しくいただきました。柿だけは不作なのか、あまり口に入りませんでしたが。

 11月、こよみには、「勤労感謝の日」があります。この年もここまで働くことができましたことを感謝する時として定められたのでしょう。
 そもそも、この記念日(祝日)の起源はアメリカにあります。イギリスのクリスチャンたちがアメリカに移民として渡り、多くの苦しみと闘いののち、アメリカでの生活ができるようになったことをお祝い、感謝してこの日を定めたといいわれます。

 この時は遠くに離れていた家族の人々がそれぞれに両親のもとに帰省し、お祝いをいたす習慣があるようです。 イギリスから一年分の食糧と種を積んで渡り、開墾をなし大きなバラックを作り、教会堂を作り、畑に種を蒔き、野山に狩りに行き…と懸命に働きました。
 しかし、冬の厳しい寒土の中で病気で死ぬ人があり、上陸した時の半数にまでなってしまうという悲しい経験をしながら生活を営んでいったようです。そのような中にありましても、彼等は、11月末に一年の収穫を感謝し、お祝いをいたしました。その時は、家族から離れている兄弟も集まり、感謝をささげ、お祝いをしています。それが「Thanks giving Day」です。「Thanks」(感謝)を「Giving」(ささげる)のです。誰に対してささげるのか、申すまでもない、この一年間守り与えてくださった神様に感謝をささげるのです。

 とかく、私の働き、私の…が中心になりやすく、その結果に一喜一憂しがちであります。この年、神様は豊かに守り、祝福し、必要を備えてくださっております。それに心を用いて感謝を豊かにささげましょう。
 景気の悪い、景気が悪くなる、と暗いイメージが強く感じます。太陽を昇らせ雨を降らせ、「空の鳥を見よ」と語りかけられる神様に信頼して、与えられた日々と歩んでいきましょう。
 有形の恵み、お働きを神様から与えられただけでなく、霊的恵み、神様の知恵、みわざをどれほと与えられたことでしょう。感謝いたしましょう。

神様のみわざは決して不景気ではないのです。それをただ、気づかずに無益に流れ去らせているだけです。


2001年11月号