神のかたちに生きる

野田 信行牧師


「神は自分のかたちに人を創造された。すなわち、神のかたちに創造し、男と女とに創造された」。      創世記第1章27節

 神は人を造られる時に、「われわれのかたちに、われわれにかたどって」と言われました。「われわれ」と複数であるのは、ヘブル語の「熟慮の複数」と考えられます。「かたち」の原語には「外形、姿」という意味もありますが、「神は霊である」(ヨハネ4:24)ので神の霊を持つ意味です。人は神に命の息(霊)を吹き入れられて生きる者となりました(2:7)。人は他の生物と同じ被造物ですが、すべての生き物を治めるという特別の役割があります。

 その役割を果たすために、神と同じ様に以下の事を行います。
① 名づける
神は昼と夜(5節)、陸と海(10節)を名づけられ、同じ様に人はすべての生き物に名を付けました(2:19)。聖書で名は実質を表す大切なものです。

② 区別する
神が光とやみ(4節)、水(7節)を分けられた様に、イスラエルは神が区別された聖なるものと俗なるものを区別して生きる様に求められました(レビ20:25)。聖とは元々分離するという意味であり、私たちも区別して生きることが求められ、その時に名前によって自分が関わるかどうかを判断します。

③第7日目に休む
神が第7日目に休まれた(2:2)様に、全ての人は第7日目は休み、神を礼拝し御心を求めます。

④ 祝福する
神は水に住む生き物と鳥を祝福され(22節)、男と女を祝福され(28節)、第7日目を祝福されました(2:3)。神はアブラハムに「あなたは祝福の基となる」(12:2)と言われた様に、信仰者は他の人を妬んだり、恨んだりする存在ではなく、他の人を祝福する祝福の基となる存在です。

「治めさせよう(支配させよう)」は複数形であり、個人が治めるのではなく、複数の共同体が治めます。人は男と女とに創造され、神のかたちに生きる状況は男と女が共存する共同体です。共同体は色々なかたちが考えられ、夫婦、親子、家族、教会等様々です。

 人は神と同じ様にようになろうとすると神のかたちを失います(3:5)。神のかたちに造られた人が、神のかたちに生きるとは、神と同じ様にはなろうとはせずに、「ただ少しく人を神よりも低く造った」(詩篇8:5)の御言を謙虚に受け止めることです。神は神のかたちを毀損した人類のために主イエスをこの世に遣わし、信じる者の罪を赦し、聖霊を遣わし神のかたちを回復させてくださいますから感謝です。神の恵に感謝し、神のかたちに生き続ける者とさせて頂きましょう。

2020年1月号