あと二ヵ月

山脇 正子 副牧師

 コンピューターが誤作動するのではないかと心配されて、はじめられたこの年も残すところあと二ヶ月となりました。

 神様がめくる白い紙に、一日一日を大切に今日という日を綴りながら…。「今日一日」「今日一日」という中でいろいろなことがありました。喜びも、悲しみも、痛みも…ただひたすら神のご計画の中で、召命に応答するものでありたいという願いをこめての歩みでした。

教団、教区の中にも小さな働きの場が与えられて、教会、家庭の他に輪をひろげてみると、ある時は見えなくても、聞こえてこなくてもよいものまで、目に耳に入ってくるのでした。そのような時、そこから自分の身を遠ざけようとする誘惑に引き込まれていくことがあります。しかし、現実を現実として見、聞き、そこに身を置き続けること、その勇気こそ大切なのだと思わされています。

茂原に任命を受けた初期の頃の祈祷会で、
「一粒の麦、地に落ちて死ななければ、それはただ一粒のままである。 しかし、もし死んだなら、豊かに実を結ぶようになる」 (ヨハネによる福音書12章24節)
というみことばからのメッセージを受けました。 「死んだら豊かに実を結ぶ」ということは、「今のところに身を置き続けること」なのだということでした。今でもこのみことばのメッセージを受け取った時の光景が目に焼き付いています。あの高師の増改築前の会堂にテーブル2つを並べて、木村兄、山脇と私の三人の夜の祈祷会でした。それは、神から私へのチャレンジだったのです。

最近、エレミヤ書のみことばに身も心も虜になっています。それは、
「わたしがあなたがたに対していだいている計画はわたしが知っている。 それは災を与えようというのではなく、平安を与えようとするものであり、 あなたがたに将来を与え、希望を与えようとするものである。」 (エレミア書29章11節)
という約束です。
創世記のヨセフ物語の終わりにヨセフ自身が語った人生のどんな出来事も
「あなたがたはわたしに対して悪をたくらんだが、 神はそれを良きに変わらせて 今日のように多くの民の命を救おうと計られました。」 (創世記5章21節)
「たくらむ」と「良きに変わらせ」は「計画」ということばだといわれます。人の悪い計画を、神はよい計画となさったということです。この年、あと二ヶ月、神のみ手に委ね期待しながら、それぞれの置かれたところで歩みたいと思います。神に栄光をおかえししつつ。

2000年11月