教会の新年度

野田信行牧師

　4月に入り新年度となりました。日にちが過ぎれば自動的に暦は新年度にはなりますが、教会にとっての新年度は教会が新しくなることです。会社や店等の組織の寿命は一般に30年と言われますが、教会も例外ではありません。多くの組織が春夏秋冬の様な４つの季節を経て終わりを迎えます。30年を超えて生き残るには様々な変化に対応して自分たちが大きく変わる必要があります。福音の本質は全く変わりませんが、変化への対応が必要になります。

　茂原教会の歴史を見ますと創立30年を迎える前に山脇先生ご夫妻をお迎えし、教会員の方々と協力し新たなる時代へ対応し発展して来ました。茂原教会は今年創立64年を迎えます。今は創立90年に向けた30年周期の3回目の土台を作る大切な時期です。

　組織は30年続くと初めの大切な目的が徐々に見失われて、表面的な形式だけが残り易いものです。新たな命を回復して生き残り、成長するには大きな改革が必要となって来ます。旧約聖書のヨシュアの宗教改革、約5百年前のルターの宗教改革等が大きなものです。2千年前に主イエスがこの世に来られたことはキリスト教にとっての一番大きな改革であり、キリスト教の始まりです。しかし主イエスの十字架と復活による人類の救いという愛の福音が生まれるためには、十字架刑という大きな産みの苦しみを必要としました。主イエスは十字架によって律法主義に陥った信仰を愛の信仰へと回復されました。

　茂原教会は64年経った現在も主にあって日々新たにされ、新しいことへのチャレンジ精神が旺盛なことは感謝なことです。しかし新たなるチャレンジは必ずしもスムーズには進まないこともあります。それは私たちが「患難は忍耐を生み出し、忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出す」（ローマ5：3～4）ことを身に付け、神に似た者とされて行くためです。

　今年度も皆様と共にどんな新しい年度を歩ませて頂けるかとても楽しみです。産みの苦しみを恐れずに新たなチャレンジを行ってまいりましょう。

2016年4月号