子どもの頃の夢

野田 栄美

小学校4年生の時に、学校でマザーテレサの話を聞きました。とっても感動してしまった私は、将来孤児院を開こうと思いました。中学生になると、キャンプで神様のために生涯を捧げる決心をしました。そして、病気や貧困、戦争で苦しんでいる子どもたちを本当の意味で救えるのは、イエス様だけだと思いました。特に、病気の子どもたちにイエス様のことを伝えたいと思いました。
今、私は神様が私の人生に立てておられたご計画を垣間見ています。私が授かった子どもたちは、色々と病気をしました。心臓病、喘息、起立性調節障などなど、病気が襲ってくる度に、必死になっていました。自分の子どもが病気で苦しむことは、望みたくもない苦難です。

でも、ふと子どもの頃の夢を思い出した時、み言が浮かびました。「あなたがたのうちに働きかけて、その願いを起こさせ、かつ実現にいたらせるのは神であって、それは神のよしとされるところだからである。」(ピリピ2:13)私の夢は、現実となっていると気付いたのです。

榎本保郎先生が妻の和子先生に「牧師の妻は夫を十字架に押し上げなければならない」と言ったと本で読んだことがあります。子どもが病気で苦しんでいるのを見ることは辛いことです。母親にとっては心を刺される思いです。

でもそこで、神様が私に語られたことは、病気が癒されるのを願うと共に、神様のご計画によって子どもが苦しんでいることを受入れなければならない、子どもを十字架に押し上げなければならないということでした。神様は、子どもたちにも苦しみを通して、神様を知る機会を与えようとしてくださっている。病気によってこそ、子どもたちが神様は一緒にいてくださることを体験すると、み言をくださったのです。「あなたの将来には希望があり、あなたの子供たちは自分の国に帰ってくると主は言われる」(エレミヤ31:17)

 私は、神様に慰めていただいています。決して?をつかない方、全能の力を持った方が私に約束してくださった。母親が「大丈夫」と言ってあげられること、それは病気の子どもにとって大きな支えになります。神様が保証してくださるので、揺るぐことなく「大丈夫」と子どもに言うことができるクリスチャンの母親はなんて幸せでしょう。

子育て中の雌の動物は、非常に獰猛になります。人間の母親も、子どもを思うあまり心が騒ぎ、平安を失うことがあります。私も弱く傷付きやすい母親です。でも、大丈夫。決して変わらない神様が、あなたにも、あなたの子どもにも、「大丈夫」と約束できる方だからです。そして、わたしたちみんなが神様の子どもなのです。

2017年6月号