他の人にしていただいたこと

野田 信行牧師
 19年前に東京から茂原の隣りの睦沢町に引越し、母教会の紹介で岬教会に通う様になりました。岬教会の園田先生夫妻の10歳で召された長男が、私と同じ名前であることを聞き、不思議な導きを感じました。

 翌年、我が家の次男が召された時には、自分と同じ痛みを知っている園田先生夫妻であるからこそ、話を聞くことが出来ました。本当に大きな慰めを頂きました。園田先生夫妻に自分がして頂いたことを、今度は自分がする番なのではないかと思わされたことが献身の切っ掛けとなりました。

 岬教会にいた時には、聖書学院のインターン生を迎え、一年後に牧師となられた先生の元で役員をさせて頂きました。また、島田先生夫妻の兼牧があり、山脇先生夫妻と大前先生夫妻の兼牧の時には役員として奉仕をさせて頂きました。常駐牧師がいない時期もありました。当時は、なぜ、この教会はこの様なところを通されるのだろうと思いつつ過ごしていました。茂原教会では安井先生夫妻も兼牧の中、本当に熱心にご奉仕くださいました。

 しかし今それらのことを思い返すと、自分が体験させて頂いたことが、何一つ無駄にはなっていないことに気付かされてはっとさせられます。それは私が今させて頂いていることは、それは何年か前に、立場の違いはあれ、自分が置かれていたのと同じ状況だからです。今思い返すのは、あの時に、あの先生はどの様にしてくださったのか、その時に自分はどう思ったのかということです。その時に自分がして頂いて嬉しかったことと同じことを出来る限りさせて頂こうと思っています。

 神の計画には本当に無駄が無いことに驚くばかりです。自分が他の人に何かをして頂いている時には、まさか何年か後に、自分が同じことを他の人にさせて頂くことになるとは思いも寄らなかったことばかりです。人間は自分が他の人にされたのと同じことを他の人にすると言われます。神の恵みを経験した人は、神の恵みと導きの中で、同じ恵みを他の人に与える様になって行きます。

「何事でも人々からしてほしいと望むことは、人々にもそのとおりにせよ。これが律法であり預言者である」。
マタイによる福音書第7章12節

2019年6月号