棄てられたキリストの模型としてのヨセフ

2024年8月18日礼拝説教 
創世記37~45章(中心聖句45章4、5節)                          佐藤仁美牧師(岬キリスト教会)

ヨセフの生涯は創世記の九章に亘って、的確で心を躍らせるように描かれています。

ヨセフは父ヤコブの寵愛を一身に受け、兄弟達からは憎まれた。十七歳の時夢を見、父や兄達が自分にひれ伏す事を伝えた。父からシケムに使いに出された時、兄弟達はヨセフをミデヤン人の商人に売り渡し、さらにエジプトのポティファルの奴隷となる。その妻の誘惑を受けヨセフは「神に罪を犯すことができない」と退けた。しかしヨセフは直訴され、王の囚人の牢獄へ。入獄してきた献酌官と料理長の夢を解く。献酌官は復職。献酌官に牢を出された時、「ファラオに取次を依頼」、だが彼は二年間も忘れてしまう。

ファラオは不思議な夢を見、誰も解けなかったので、ヨセフが呼び出され、夢は「七年の豊作に続く七年のききん」であると解き、すぐに適切な対応策を提言し実施する。王はヨセフを全国の司に任命。三十歳となる。

祭司の娘と結婚。マナセとエフライムを得。

ききんが始まり、ヤコブの子らはエジプトに穀物を買いに行く。そうしなければ死のみ。

ヨセフは兄弟達に嫌疑をかけ、シメオンを人質に取って「穀物を持ち帰って良い。末の弟を連れてくればスパイ嫌疑は解け、人質は帰す。」と約束する。

ききんはなお続くため、穀物が必要になり、ユダはべニヤミンを連れて行く際に、「彼の安全を父ヤコブに保証する。」と言明して、再びエジプトへ。ヨセフはシメオンを釈放。全員を自宅屋敷に招き、食事に招待。ベニヤミンを見て、隣りの部屋で泣いた。

岐路に着くベニヤミンの袋には「銀の杯」を入れた。途中で追いつき「ベニヤミンは奴隷に、他の者は帰国して良い」と指示。ユダはベニヤミンの身代わりに、自分が奴隷になりベニヤミンが帰国することを嘆願する。素晴らしい悔改めの時でもあった。

ヨセフは兄弟達に「私はあなたがたがエジプトに売ったヨセフです。命を救うために、神が私をあなたがたより先に遣わしになったのです。」と告白する。兄弟は驚くばかり。

ヨセフは恨みつらみもなく自我が砕かれ万事を益とする節理の信仰に貫かれている。

イエスも銀貨三十枚で売られ、サタンの誘惑に勝つ。彼は天の父なる神の御旨によって地上に遣わされた。イエスは十字架の死と復活により神の使命を全うし、イスラエル民族の救い、さらに恩寵による全世界の救いの源となられた。ヨセフを通してイエスの姿を!