思いを遙かに超えて
古川江利子牧師
今、牧師館のバルコニーのシクラメンが花盛りです。昨年買った、真っ赤なシクラメンは、2月より咲き始め、お店に並ぶより少し季節外れです。昨年より花は大きく、色鮮やかで何より茎の勢いと太さは昨年以上に成長しています。今も、蕾が次から次へと膨らんで、蕾のままで枯れてしまうものが一つもないのです。去年とは、全然違います。
昨年いただいたシクラメンは、咲かせるだけで精一杯でした。花も小ぶりになり、12本くらいしか咲きませんでした。今年は私の思いを遙かに超えて、どうしてこれほどまでに、咲くことができたのでしょうか?
もちろん、成長させて下さった神さまのおかげ!ですが、花が終わってから、春、夏、秋と栄養たっぷりの土地に植え替えをしました。きっと、根から栄養と、大自然の中で光と雨と風をたっぷり受けたのでしょう。11月になり再び鉢に戻したところ、一斉に咲き始めました。咲くためには、豊かに実を結ぶには、しっかりと根を張る事、光を浴びる事、咲く力を蓄える時があることを気づかされました。
我が家に来て2年目のシクラメンは、人間の手で、時期に合わせられて、咲かせられているシクラメンとは一味違い、2月という自らの咲くべき時に、力強く咲きました。そんな生き生きとして咲く姿がなんとも頼もしく、小さな花から大きな励ましをいただきました。
鉢に対して、頭でっかちなくらいたくさんの花を咲かせてくれたシクラメンを見ながら、咲くためには、見えない根の力がこの花を咲かせてくれている事を思わされました。とにかく、今年は同じ鉢に戻すには、器が小さすぎました。今度、鉢に植え替える時は、今より大きな鉢に植え変えてあげようと思います。
小さな種の中には命の力がある事、花の咲く力を信じて、あまり手を出さず、しかし、必ず咲くと信じて、楽しみ待っていたら、私の思いを遙かに超えた結果を見ることができました。私たちの神さまは、私たちのペースと、伸びようとする力を見定めようとしておられるのではないでしょうか?
あなたの天幕の場所を広くし、
あなたの住まいの幕を張りひろげ、
惜しむことなく、あなたの綱を長くし、
あなたの杭を強固にせよ。
– イザヤ書54章2節 –
2010年3月号