成長させて下さる神

安井 光牧師

 今年も3分の1が終わりました。カレンダーを眺めながら、「もう5月か…」と月日の経過する早さを感じています。

 年齢を重ねるとともに、時の経つのが加速度的に早くなる(感じる)と言われます。けれども、私たちクリスチャンは老いに向ってまっしぐらというのではなく、神は私たちをさらなる成長に導かれます。
私たちは神の子どもです。神の前ではいくつになっても幼子です。しかし、いつまでも生れたままの乳飲み子であるのではなく、霊の糧を受けて日々成長していくのです。

でも、「成長しなくては!…」と意気込んで、前のめりになったり、背伸びしたりするべきではありません。神が私たちを捉えて下さり、神が私たちを成長させて下さるからです。「成長させて下さるのは、神である」ということに心を留めなくてはなりません。

アポロは、いったい、何者か。
また、パウロは何者か。
あなたがたを信仰に導いた人にすぎない。
しかもそれぞれ、
主から与えられた分に応じて仕えているのである。
わたしは植え、アポロは水をそそいだ。
しかし成長させて下さるのは、神である。
– Ⅰコリント3章5~6節 –

成長するためには、「植える」とか「水を注ぐ」といった人間の側の働きも必要です。ただ人間の働きは一時的です。しかし神の働きは終わりの完成の日まで続きます。また「植える」「水を注ぐ」という働きは外から手を貸す仕事に過ぎませんが、「成長させる」というのは内なる生命力(神の命と力)に関わる神の御業です。

ご自分のこれまでの信仰生涯を振り返ってみられてどうでしょう。「成長したな」と感じられると思います。背丈が伸びたとか、知識が身についたといった事柄だけでなく、より人格的な面で、例えば、柔和になったとか、忍耐強くなったとか、人の痛みが分かるようになった、人を思いやることができるようになったということがあると思います。

信仰的な事柄・霊的な事柄のみならず、神は私たちのあらゆるところに働いておられます。どうせこんなものだ…と、自分を見限ってしまったり、諦めてしまうのはよくないと思います。神の御手は、私たち人間には届かないところに届くからです。

神は私たちを衰退や後退ではなく、前進させ成長させようとしておられます。「成長させて下さる神」を信頼しつつ歩ませていただきましょう。

2012年5月号