キリストの一つの体
野田信行
先月にhi-b.a.でデイキャンプが行われ、その中で昨年に続き今年も運動会が行われました。運動会では子どもと大人が一つのグループになって一緒に走る競技がありました。この競技で速く走るコツは、大人が全速力で速く走ることではありません。もしそのようなことをしてしまったら、子どもには辛いでしょうし、躓いて転んでしまい、結果的には反って遅くなってしまいます。それよりも大人が子どもの速さや歩幅に合わせて、皆が一緒に同じペースで、丸で一人の人のように走ることが、皆にとって快適であり、結果的に一番早く走れることにもなります。
これは大人の集まりである教会等での歩みも全く同じことです。「ある人は速く走りたい、ある人はゆっくり、ある人は右のコースから行きたい、ある人は左のコースから」と各々がばらばらに自由勝手にしていたら、全く進むことができません。また進み始めても躓いてしまう人も出て来てしまいます。一番に効率的に速く走る方法は、運動会と全く同じで、皆で決めて同じペースで同じ方向に一緒に走ることです。そのためには、「体の中に分裂が起こらず、各部分が互いに配慮し合う」(Ⅰコリント12:25)必要があります。このことを覚えるために、時々、運動会に参加することは良いかも知れません。
私たちはキリストを頭とする体であり、一人一人はその部分です(Ⅰコリント12:27)ので、他の人との調和を保ちつつ、自分に分け与えられた分に応じた役割を担わせていただきます。
昨年度の厚生労働白書はポストコロナの令和時代に求められるテーマとして、「つながり・支え合い」のあり方を提示していますが、これは聖書が教えるテーマの一つでもあります。
私たちは毎月、聖餐を行っています。聖餐は主イエスを信じる者が、聖霊の導きの中で、心からの感謝と悔い改めと、新たな信仰をもって臨み、キリストの一つの体であることを覚えるときです。 新しい年度が始まりましたが、教会はキリストの一つの体であることを覚え、皆で歩調を合わせて楽しく快適に歩ませていただきましょう。結果的には、それが一番効率的で速い歩みともなります。